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特集 MRSA感染症対策の実際
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黄色ブドウ球菌は上気道に常在菌叢を形成しており,特に入院症例では,こうした黄色ブドウ球菌の過半はすでにMRSAで占められる状況となっている.したがって,気道由来材料からMRSAが分離される頻度は高くなっているが,こうしたMRSAの分離と実際のMRSA肺炎の発症との間には,明らかな乖離がある.MRSA肺炎の診断に際しては,菌側の要因に加えて,宿主側の感染防御機構の欠陥にも十分な注意を払う必要がある.治療には,塩酸バンコマイシンおよび硫酸アルベカシンが選択される.
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