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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻6号

1993年06月発行

文献概要

特集 MRSA感染症対策の実際

MRSA創感染の診断と治療

著者: 安田聖栄1 田島知郎1 三富利夫1

所属機関: 1東海大学医学部第2外科

ページ範囲:P.751 - P.756

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 創感染は,術中の創部汚染程度にしたがって,頻度が高くなる.Clean, Clean—Contaminated, Contaminated, Dirtyそれぞれの創感染頻度は,1.8%,8.9%,21.5%,38.3%である.起炎菌としては黄色ブドウ球菌の頻度が高い.入院後,鼻腔内保菌者となり,創部に感染を来す感染経路も考えられる.また,病棟内にはMRSAの保薗者が多く,術後手術創部に感染を来す機会が多いことに注意する.創部膿瘍の診断は容易で,治療はその部位の抜糸をし,膿を排出する.開放創が大きいときは,創面がきれいになった時点で縫合閉鎖することで治療期間を短縮できる.現在のところ,創感染を確実に防ぐ方法はない.創感染に関する基本的事項を理解して診療にあたることが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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