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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻6号

1993年06月発行

Medical Essay メスと絵筆とカンバスと・6

リヨン回想(1)

著者: 若林利重1

所属機関: 1東京警察病院

ページ範囲:P.776 - P.777

文献概要

 リヨンを回想するときまず目に浮ぶのはパリーを発った飛行機がリヨンの空港に着陸する直前の眼下の景色である.高圧線を跨ぐようにして降下する機はさらに高度を下げて瀟洒な人家の屋根すれすれに飛んで滑走路に入る.空からみたのと同じようにリヨンは緑の多い美しい街である.
 私がリヨンを訪れたのは1965年の5月半ばで,その主な目的はエドワー・エリオ病院(HôpitalEdward Elliot)でマレー・ギー(P.Mallet Guy)教授の手術を見学することであった.リヨンには古田昭一君(現・三井記念病院顧問)が3か月前から留学していた.彼はサン・ジョセフ病院(Hôpital St.Joseph)病院のマリオン(P.Ma-rion)教授のもとで心臓外科の勉強をしていた.東大第二外科の後輩であり,大学の踏朱会という絵の会で一緒にヌードを画いた画友でもある.日本を出る前に私は彼に手紙を出しておいた.ところが不思議なこともあるもので私たち美術の旅の一行がニースに着き,モチーフを求めて海岸を歩いていたときにばったり彼に出会った.彼は留学先の病院の医師数名と南フランスへ旅行にきていたのである.私は改めてリヨン滞在中のことを頼むことができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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