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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻6号

1993年06月発行

総説

外科手術における赤血球M・A・P「日赤」輸血

著者: 横山繁樹1

所属機関: 1京都府赤十字血液センター

ページ範囲:P.795 - P.800

文献概要

 はじめに
 日本赤十字社が新規に開発した赤血球M・A・P「日赤」(RC-MAPと略)は,従来の濃厚赤血球(CRCと略)に替わる新しい第2世代ともいうべき赤血球製剤である.1990年に全国各地で施行された臨床治験の結果,好成績が得られたことから,1992年4月には薬価に収載され臨床使用が可能となった.現状ではRC-MAP製造に必要な自動血液分離装置が一部の血液センター以外の大部分の血液センターには整備されていないためその普及が遅れているが,今後,全血液センターに分離装置が整備され次第,全国的に臨床使用されることが予測される.また,厚生省,日本赤十字社が目指す血液事業,すなわち輸血療法の適正化,献血由来血液製剤の有効利用,血漿分画製剤の自給自足体制の確立などの方針1)からみて,従来のCRCは全面的にRC-MAPに替わることも予測されている.
 京都府赤十字血液センターでは.1992年4月からRC-MAPの供給を一部医療機関を対象に開始し,10月からは供給する赤血球製剤をすべてRC-MAPに統一化してきた.そして,現在までに得られた京都府下の医療機関におけるRC-MAP輸血症例に検討を加えてみると,赤血球の補充を主目的とした症例では良好な輸血結果が得られているものの,外科領域,特に出血量の多い手術症例においては若干の問題点が見受けられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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