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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻7号

1993年07月発行

臨床研究

急性虫垂炎における血清鉄値の診断的有用性について

著者: 千福貞博1 岡島邦雄1 山田眞一1 網岡勝見1 平松昌子1 李喬遠1

所属機関: 1大阪医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.941 - P.944

文献概要

 はじめに
 鉄欠乏性疾患,慢性関節リウマチ,悪性疾患などの慢性消耗性疾患において血清鉄が低下することはよく知られている.しかし,これら以外に急性炎症性疾患,特に感染症において血清鉄が低下することも報告されている1,2).近年のサイトカインに関する新知見により,この急性炎症による血清鉄の低下の原因はインターロイキン1などの炎症性サイトカインの作用によると考えられている3).しかし現在,日常臨床においてサイトカイン,特に血中インターロイキン1を測定することは,ELISA法を用いても感度以下になるなどのため容易ではない.これに対して,従来から行われている血液生化学検査における鉄の測定はきわめて簡便で,実地臨床上の意義が大きい.そこで,急性炎症性外科疾患の代表として急性虫垂炎を研究対象として取り上げ,その術前の血清鉄を測定し,診断的有用性を検討したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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