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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻8号

1993年08月発行

特集 疼痛をどうコントロールするか

痛みの発生と生理学的,生化学的な機構

著者: 横田敏勝1

所属機関: 1滋賀医科大学第1生理学

ページ範囲:P.979 - P.986

文献概要

 傷害に対する組織反応は3相に分けられる.第1相では、傷害の直接作用による痛みに続いて,炎症を媒介する活性物質が痛みを増強させる.第2相では,白血球の反応が痛みをもたらす.第3相では,傷害された末梢神経線維の再生に伴う痛みが現われる.痛みを伝える求心性線維はAδおよびC侵害受容線維である.Aδ侵害受容線維の伝達物質はグルタミン酸,C侵害受容線維の伝達物質はグルタミン酸と神経ペプチドである.C侵害受容線維が高頻度で興奮すると,NMDA受容体の反応が加わって,脊髄後角2次ニューロンの反応性が高まる.この状態が持続するとニューロン細胞体のCa2+濃度が高まり,前初期遺伝子の発現が誘導されて,蛋白質の合成が始まる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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