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特集 疼痛をどうコントロールするか
文献概要
術後疼痛は,手術後約24時間をピークとする強い体性の痛みである.疼痛の軽減は第1に人道的見地から必要とされるものであるが,さらに管理にあたっては,術後疼痛は生体にとり有害なものであるとの認識が必要である.すなわち,疼痛の存在は呼吸器系の合併症の頻度を増加させ,早期離床を妨げる.現在,疼痛のコントロールにおいては麻薬系の鎮痛薬が多く用いられているが,一般外科手術のあとには鎮痛薬,麻酔薬の持続硬膜外注入が広く用いられるようになってきており,効果をあげている.一方,術後管理においては,通常の術後疼痛以外の異常な痛みの発症がないか注意深く観察を行い,合併症の発生を見逃すことのないように努める必要がある.
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