文献詳細
手術手技
Argon beam coagulatorを用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術
著者: 權雅憲1 上辻章二1 山田修1 井上知久1 駒田尚直1 上山泰男1
所属機関: 1関西医科大学第1外科
ページ範囲:P.1073 - P.1076
文献概要
高齢化社会がますます進み,より侵襲の少ない治療手段が要求され,医療経済上の社会環境においても医療費の抑制が求められる状況において,内視鏡下手術がこの要請に即する手段の1つとなっている.
腹腔鏡下胆嚢摘出術は,1987年,フランスのMouretにより始められ(personal communi-cation),欧米で爆発的に普及し,本邦では1990年に紹介され,全国の施設で導入されている.当初は,強度の胆嚢炎,肝硬変症例,上腹部の手術の既往による強い癒着症例は禁忌とされてきたが,手技や機器の開発に伴い次第に適応が拡大されつつある.また,胆石症の有症状例は程度の差はあるものの何らかの炎症が存在し,術前の予想に反して強固な炎症や癒着により胆嚢床の剥離に難渋し,さらには肝実質からの止血が困難な症例に遭遇する.
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