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特集 食道癌治療への集学的アプローチ
食道癌の病期分類—日本と諸外国の立場から
著者: 飯塚紀文1 小野田忠1
所属機関: 1国立王子病院
ページ範囲:P.1111 - P.1115
文献購入ページに移動 病期分類は,治療方針の決定や予後の推定,症例分布や治療成績の他施設との比較,などにとって必要欠くべからざるもので,臨床検査の結果のみによる臨床分類と,切除標本の病理組織学的検査の結果に基づく病理分類とがある.後者のほうが詳しく正確であるが,外科切除手術を含まない放射線治療や化学療法のみの治療を行う症例の評価には臨床分類が必要である.日本では食道疾患研究会が制定した「食道癌取扱い規約」が広く使われているので,全国的規模の症例の集計が可能である.国際的に使用されているUICCのTNM分類は,第3版までは日本の分類との違いが大きかったが,第4版ではその違いが少なくなった.この他に,Skin-nerのWNM分類,中国の分類が発表されている.将来はこれらの分類法が統合されて,世界共通のものが使用されることが望まれる.
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