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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻9号

1993年09月発行

文献概要

特集 食道癌治療への集学的アプローチ

Barrett食道と食道癌

著者: 西巻正1 田中乙雄1 鈴木力1 田中陽一1 渡辺和夫1 藍沢喜久雄1 畠山勝義1 武藤輝一2

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科 2新潟大学

ページ範囲:P.1169 - P.1175

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 Barrett食道は化生性円柱上皮により3cm以上下部食道がおおわれる異常で,慢性的胃食道逆流の結果生ずる後天性疾患である.Barrett粘膜は組織学的にspecialized columnarepithelium(SCE),junctional-type, fundic-typeに分類され,SCEは生検でのBarrett食道の診断に重要である.Barrett食道は食道腺癌の発生母地と考えられ,dysplasia-carcinoma sequenceを経て癌化するとされる.dysplasia,特にhigh-grade dysplasiaは内視鏡的フォローアップにおいて癌化のよい指標で,SCEから発生する場合がほとんどである.Barrett早期癌の肉眼型は隆起型,平坦型が多く,組織学的には大半が高分化腺癌である.現在,癌化の早期診断のためBarrett食道患者を対象に内視鏡的フォローアップが施行されており,Barrett食道癌切除後成績の向上に寄与することが期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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