文献詳細
文献概要
Medical Essay メスと絵筆とカンバスと・9
外房風景
著者: 若林利重1
所属機関: 1東京警察病院
ページ範囲:P.1198 - P.1199
文献購入ページに移動 外房の景色は多くの画家が好んで画く.私がはじめて外房を訪れたのは1958年の夏である.夏休みを利用して都立高校の臨海学校の臨時校医として1つの班に付添って行った.4泊5日だが医者としてする仕事は殆どなく専ら絵を画いていた.
臨海学校の建物は守谷湾之いう小さな湾口の北側にある.外房線の興津駅から徒歩で約30分,タクシーだと5分もかからないところだが駅にはタクシーが1台しかなかった.南の方には画家がよく画く太海があり,すぐ北には安井曽太郎の絵で有名な鵜原がある.このあたりは湾や入江が多くて景色は変化に富み,また海水に浸蝕された磯や断崖の水成岩は見事な層状の横縞をなしている.
臨海学校の建物は守谷湾之いう小さな湾口の北側にある.外房線の興津駅から徒歩で約30分,タクシーだと5分もかからないところだが駅にはタクシーが1台しかなかった.南の方には画家がよく画く太海があり,すぐ北には安井曽太郎の絵で有名な鵜原がある.このあたりは湾や入江が多くて景色は変化に富み,また海水に浸蝕された磯や断崖の水成岩は見事な層状の横縞をなしている.
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