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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻1号

1994年01月発行

特集 乳癌診療—今日の話題

胸筋温存手術—その治療成績と問題点

著者: 児玉宏1

所属機関: 1乳腺クリニック児玉外科

ページ範囲:P.49 - P.54

文献概要

 胸筋温存乳房切除術のうち,大胸筋間溝を開排して鎖骨下領域まで郭清する術式は,Halsted手術と同程度のリンパ節郭清が可能で,しかも大胸筋支配神経を容易に温存することができるので,術後の大胸筋萎縮をきたすことはほとんどない.
 本術式1,408例の累積生存率は,従来のHalsted手術中心の全国集計による生存率に比して遜色なく,むしろ優れている.本術式により温存された大胸筋からの再発は1.1%にみられたが,再発巣が大きくならないうちに局麻下に切除すれば,再々発をきたすようなことはない.したがって本術式は,よほどの進行した症例(T4)以外のすべての乳癌を適応とすることができ,乳癌の標準術式ということができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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