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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻12号

1994年11月発行

外科研修医実践講座・17

イレウスへの実践的対応

著者: 堀孝吏1 徳原真1 坂本昌義1

所属機関: 1三井記念病院外科

ページ範囲:P.1455 - P.1459

文献概要

 病態生理と治療方針
 イレウスの病態生理で問題となるのは,腸管の通過障害による大量の水・電解質のthird spaceへの喪失と,口側腸管内圧上昇,血流障害,細菌の異常増殖の結果もたらされるbacteria, endo-toxin translocationである(図1).したがって,イレウスの診断がつき次第,水・電解質の補正と腸管内貯留液のドレナージを開始し,それと平行して腸管の通過障害の原因の究明を急ぐ.腸管内貯留液が保存的にドレナージできないような原因(例えば,絞扼性イレウス)がある場合には外科的な処置が必要となる.口側腸管のドレナージが可能である場合には,待機的に通過障害の部位と原因の究明を心掛ける.部位と原因がはっきりした場合にはそれぞれの病態に応じた手術を行う.癒着性単純性イレウスの場合でも保存的治療の限界は1〜2週間と考えている(図2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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