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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻12号

1994年11月発行

文献概要

手術手技

ラパロリフトを用いた吊り上げ法による腹腔鏡下胆嚢摘出術の経験

著者: 片山寛次1 新本修一1 関弘明1 中川原儀三1 片山外一2

所属機関: 1福井医科大学第1外科 2つくし野病院外科

ページ範囲:P.1479 - P.1483

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 はじめに
 現在行われている腹腔鏡下胆嚢摘出術のほとんどは,二酸化炭素による気腹法を用いている.しかし,気腹による合併症として,皮下そのほかの気腫,ガス塞栓,高炭酸ガス血症などが報告されている1).また,気腹による腹腔内圧上昇は,下大動脈からの血液還流を減少させ,心拍出量の低下,低血圧をもたらし,時には肺塞栓の原因ともなる2).したがって,循環器や呼吸器に障害をもった症例では,気腹圧をかけることに注意を要するといわれる.気腹装置,高価なトロッカーや専用の鉗子類,エンドクリップなどは気腹法では不可欠であるが,腹壁吊り上げ法を用いた平圧下における内視鏡手術では必ずしも必須ではなく,より経済的である.しかし,従来のキルシュナー鋼線やU型リトラクターを使った腹壁吊り上げ法は侵襲的であり,また手技的に煩雑である3)
 最近われわれは,簡便かつ安全に平圧下で腹腔鏡下手術が行える腹壁挙上機器ラパロリフト®を導入,9症例に胆嚢摘出術を試行したので,その経験を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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