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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻12号

1994年11月発行

臨床報告

子宮瘤膿腫穿孔による汎発性腹膜炎の1例

著者: 山下博士1 坂本昌士1 山本修1 岡本康1 向井晃太1 二宮基樹1

所属機関: 1医療法人光輝会光輝病院外科

ページ範囲:P.1495 - P.1499

文献概要

 はじめに
 子宮瘤膿腫は悪性腫瘍や老人性頸管萎縮分娩,人工妊娠中絶,放射線照射,先天性奇形などが原因となり発症する比較的まれな疾患である.このうち穿孔に至るものはきわめてまれであり,本邦報告例は現在までに30例を認めるにすぎない.この子宮瘤膿腫の穿孔が起きる機序としては,種々の原因により子宮頸管の狭窄や閉塞が生じ,子宮内分泌物の自然排出が障害され,細菌感染により膿や壊死物質が貯留し,分泌物の増加に伴って子宮内圧が上昇し,子宮破裂をきたすことが考えられている.
 今回われわれは,腹腔内遊離ガス像により消化管穿孔と術前診断した,85歳の子宮瘤膿腫穿孔による汎発性腹膜炎の1例を経験した.高齢女性の汎発性腹膜炎の原因疾患の1つとして念頭におくべきと考え,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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