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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻13号

1994年12月発行

特集 外科手術と輸血—最近の動向

輸血後移植片対宿主病(輸血後GVHD)—予防,診断,治療

著者: 上平憲1 朝長万左男1

所属機関: 1長崎大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.1559 - P.1564

文献概要

 輸血後GVHDとは,輸血血液製剤に混入するT細胞が患者に生着し,宿主(host)の組織適合抗原を認識して,この抗原の分布する臓器を攻撃する免疫反応の結果生じる病態である.したがって,確定診断には患者体内におけるT細胞のキメラ状態とGVH反応の病理学的存在を皮膚・肝臓などで確認する.治療はステロイド剤,その他の免疫抑制剤や調整剤が試みられているが絶望的で,ほとんどの症例は1か月以内に死亡する.予防は,輸血の際の一般的な心構えを遵守のうえ,製剤中に混入するT細胞を1,500〜2,500cGyの放射線照射で失活させることが唯一最良の方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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