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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻13号

1994年12月発行

文献概要

特集 外科手術と輸血—最近の動向

心臓外科における無輸血開心術の努力—エリスロポエチンを用いた術前貯血式自己血輸血の実際

著者: 許俊鋭1 平田勇1 尾本良三1

所属機関: 1埼玉医科大学第1外科

ページ範囲:P.1577 - P.1582

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 同種血輸血の回避や節減を目的に希釈体外循環や体外循環回路内充填量の削減,循環装置内の残血やドレーン血の回収などに最大限の努力が払われてきたが,必ずしも十分でなかった,術前の自己血貯血は同種血輸血回避の方法として非常に有効であり,特に遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)は自己血採血後の貧血改善や造血促進に効果的と考えられた.心臓血管外科領域における臨床試験では,コントロール症例の無輸血開心術施行率25%に対し,rHuEPO静注投与症例(自己血非貯血)の無輸血率は50%,同様のrHuEPO静注投与と自己血貯血を併用した症例での無輸血率は80%であり,さらにrHuEPO皮下注投与を併用した自己血貯血症例での無輸血率は88%であった.これらの臨床試験により術前3週間(週3回)6,000IUのrHuEPO静注投与,あるいは術前3週間(週1回)24,000 IUのrHuEPO皮下注投与により,貧血をきたさずに1,200 ml(週1回400m1・術前3回)の術前自己血貯血が心臓外科手術患者にとっても安全に行えることが明らかとなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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