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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻2号

1994年02月発行

特集 上部消化管の術後運動機能評価と病態

食道裂孔ヘルニア術後の食道運動機能評価と病態

著者: 村上卓夫1 丹黒章1 林弘人1 草薙洋1 佐伯俊宏1 鶴見征志1 阿部俊弘1

所属機関: 1山口大学医学部第2外科

ページ範囲:P.165 - P.172

文献概要

 噴門括約機構は,下部食道括約筋(LES),Willis胃斜走筋,横隔食道靱帯などにより構成され,このうちLES,Willis胃斜走筋が逆流防止に重要な働きをしている.噴門が横隔膜上に逸脱する食道裂孔ヘルニアでは,これら括約機構の協調性が失われ,内圧上は高圧帯の圧低下,幅の延長となって現われ,胃および十二指腸内容物が食道内に逆流し,逆流性食道炎を惹起する.犬ヘルニアモデルによる実験により,ヘルニア術式のうちNissen法が優れていることが示唆された.われわれの行っているNissen変法術後には,内圧上も逆流防止に十分な高圧帯の形成と,しっかりとした嚥下波の伝導を認めた.24時間pH測定でも逆流はほとんど認めず,臨床症状も著明に改善していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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