文献詳細
特集 上部消化管の術後運動機能評価と病態
文献概要
リンパ節郭清を伴う広範囲胃切除術では,gastro-pyloro-duodenal co-ordinationがなくなり,残胃に蠕動収縮が生じにくいことから,排出は重力の影響を受け,食後早期の急速排出と不消化物の遺残によるmucous ball形成の潜在性という2面性をもつ.幽門保存胃切除術では,迷走神経切離の有無にかかわらずgastro-pyloro-duodenal co-ordinationが保持され,急速排出が防止されるが,残胃に蠕動収縮は出現しにくく,mucous ball形成の危惧がある.分節的胃切除術では,幽門洞部に異常興奮が生じるため,排出障害防止のため幽門ドレナージが必要であり,選択的胃迷切兼幽門洞切除術では,大きな残胃に機能低下が出現するため排出障害が生じやすい.
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