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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻2号

1994年02月発行

文献概要

特集 上部消化管の術後運動機能評価と病態

胃切除術後の胆嚢,胆道運動機能評価と病態

著者: 佐々木巌1 内藤広郎1 柴田近1 伊勢秀雄1 松野正紀1

所属機関: 1東北大学医学部第1外科

ページ範囲:P.195 - P.202

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 胃切除術後胆石症は最近注目されている疾患であり,教室での発生頻度は18.9%とわが国の胆石保有率の約2倍と高率であった.これらの病態には胃手術後に発生する胆道運動機能障害が重要な要因であると考えられるが,これらは胆汁組成の変化,胆嚢運動およびOddi筋運動障害とに分けることができる.最近,山里らは,幽門近傍の胃および十二指腸が壁内神経の非アドレナリン性ニューロンを介したOddi筋の弛緩作用調節機構の存在を示唆している.教室での実験的成績では,従来の遠位側胃切除術(B−1)に比べて,十二指腸が切離されない幽門保存胃切除術のほうが胆道運動の面からもより生理的術式であると考えられ,彼らの成績を裏づける成績が得られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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