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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻3号

1994年03月発行

文献概要

特集 肝癌治療の最新ストラテジー 肝切除療法の実際と治療成績

1)肝灌流・バイパスチューブおよびバイオポンプを用いたHepatic Vascular Exclusion下の拡大肝切除術

著者: 島津元秀1 都築俊治1 若林剛1 河地茂行1 青木春夫2 杉岡篤2 江崎哲史2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科 2藤田保健衛生大学外科

ページ範囲:P.275 - P.280

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 臣大な肝腫瘍あるいは下大静脈,肝静脈近傍の肝腫瘍に対する広範囲肝切除においては,肝血行完全遮断(HVE)が出血の制御に有効である.しかし,HVEが長時間に及ぶと,循環動態の乱れや肝の虚血・再灌流障害が問題となる.著者らは,HVE時の門脈・下大静脈血バイパスおよび肝灌流を同時に,かつ簡便に行うことのできるチューブを開発し,6例の肝切除に応用した.また,下大静脈を狭窄する巨大肝癌2例に対して,バイオポンプを用いて門脈・大腿静脈から右房にバイパスし,HVE下に拡大肝葉切除を施行した.いずれもHVEに起因する偶発症,合併症はなく,安全かつ“ゆとり”のある拡大肝切除が可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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