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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻3号

1994年03月発行

文献概要

特集 肝癌治療の最新ストラテジー 肝切除療法の実際と治療成績

2)系統的区域,亜区域切除術

著者: 林賢1 幕内雅敏1 川崎誠治1 宮川真一1 嘉数徹1 橋倉泰彦1 河西秀1 三輪史郎1

所属機関: 1信州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.281 - P.287

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 慢性肝炎や肝硬変に伴う小型の肝癌症例は増加傾向にあるが,超音波装置における術中プローブの開発は障害肝症例の系統的肝切除を容易ならしめた.肝機能面からは,腹水なく,血清総ビリルビン値が正常範囲でICG 15分値が19%以下では区域切除,29%以下では亜区切除が可能である.系統的肝切除の施行により術中の出血量は減少し,無輸血手術症例は増加し,hospital mortalityはきわめて低率となった.また腫瘍径5cm以下の肝癌では,部分切除に比較し亜区域切除症例のほうが良好な遠隔成績を示した.本稿では区域切除では右葉前区域,亜区域切除では前上亜区域を中心に術中超音波装置を用いた系統的肝切除の手術術式の実際と治療成績につき概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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