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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻3号

1994年03月発行

文献概要

特集 肝癌治療の最新ストラテジー

肝細胞癌の切除後再発と治療

著者: 池田健次1 斉藤聡1 熊田博光1

所属機関: 1虎の門病院消化器科

ページ範囲:P.331 - P.337

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 肝細胞癌は肝硬変を有していることが多く,また早期に肝内転移をきたすことから再発しやすいことが知られており,「根治切除」ができても1年37%,2年57%と高率に再発する.再発率に寄与する独立要因を統計学的にみると,①腫瘍多発性,②組織分化度,③HCV抗体陰性,の3要因が挙げられた.再発後の生存期間に最も寄与する要因は再発時の腫瘍個数で,再発時に選択された治療法(再切除,エタノール局注療法)ではなかった.切除後再発肝癌に対して集学的治療を行うと,3年69%,5年65%の良好な生存率が得られ,術後の再発監視と再発後の適切な治療が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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