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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻3号

1994年03月発行

文献概要

綜説—今月の臨床

膵頭(十二指腸)切除術—最近の変遷

著者: 田中雅夫1

所属機関: 1九州第学医学部第1外科

ページ範囲:P.339 - P.343

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 Ⅰ.はじめに
 膵頭部癌,乳頭部癌、十二指腸癌,中・下部胆管癌などの膵頭十二指腸領域の悪性疾患,あるいは良性疾患であっても膵頭部の切除を必要とする場合には,一般に膵頭十二指腸切除術(Pan-creatoduodenectomy, PD)が行われる.
 PDが初めて施行されたとき,胃および幽門輪は温存されていた1).その後,PDに胃切除術が併施されるようになり,30数年にわたり標準術式として広く行われてきた.ところが,最近再び,消化管機能温存の立場から全胃幽門輪温存のPD(Pylorus-preserving pancreatoduodenectomy,PPPD)が注目され,盛んに施行されるようになった.現在の形の本術式を最初に行ったWatson2)は乳頭部癌を対象としたが,最近では十二指腸癌,下部胆管癌,膵頭部の腫瘤形成性慢性膵炎,嚢胞性病変などや乳頭部領域の良性疾患も適応とされ,さらに膵頭部癌にさえも行われるようになってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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