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臨床報告
副腎原発と考えられる巨大悪性リンパ腫の1切除例
著者: 山本浩之1 小野栄治1 住元一夫1 若杉健三1 松坂俊光1 久米一弘1 藤永裕1 臺丸裕2
所属機関: 1松山赤十字病院外科 2松山赤十字病院病理部
ページ範囲:P.385 - P.390
文献購入ページに移動後腹膜腫瘍は比較的まれな疾患であり,特異的な臨床症状が少なく,そのために術前診断が遅れたり,確定診断が困難な場合がある.また,後腹膜腫瘍は悪性であることが多く,一般に予後不良とされている.特に副腎部に発生した悪性リンパ腫は転移によるものが多く,悪性リンパ腫の約25%に副腎転移を認めたとの報告がある1).しかし,副腎原発の悪性リンパ腫は非常にまれで,本邦では5例を認めるのみである2).
今回われわれは,腹部腫瘤を主訴とし,左副腎に原発したと考えられる悪性リンパ腫.に対し,左腎摘,膵摘,膵体尾部合併切除により摘出しえた症例を経験したので報告する.
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