文献詳細
文献概要
カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・20
胸腔鏡による胸壁腫瘍摘出術
著者: 金子公一1 尾本良三1
所属機関: 1埼玉医科大学第1外科
ページ範囲:P.397 - P.402
文献購入ページに移動 はじめに
胸腔鏡は,1910年,Jacobaeus1)が膀胱鏡で胸腔内を観察したのに始まり,胸腔内の観察や診断の手段として用いられてきた2,3).また,自然気胸に対する治療法としても使用されてきており4),胸腔鏡の利用は新しいものではない.しかし,近年,装置や器具の改善によって胸腔鏡による治療は胸腔鏡手術として急速に普及しており,自然気胸や肺部分切除など,本邦における胸腔鏡下手術は6,000例を越えている5).さらに,最近では技術の向上や器具の改善も進み,呼吸器外科領域においても手術は拡大される傾向にあって,従来,開胸手術で行われていた操作の多くが胸腔鏡下で施行できるようになっており,胸腔鏡手術の手技や適応の確立が望まれる.
本稿では,胸腔側に突出する形態の胸壁腫瘍に対して胸腔鏡を用いて経胸腔的に切除した症例について術中写真を用いて解説し,その利点や問題点について述べる.
胸腔鏡は,1910年,Jacobaeus1)が膀胱鏡で胸腔内を観察したのに始まり,胸腔内の観察や診断の手段として用いられてきた2,3).また,自然気胸に対する治療法としても使用されてきており4),胸腔鏡の利用は新しいものではない.しかし,近年,装置や器具の改善によって胸腔鏡による治療は胸腔鏡手術として急速に普及しており,自然気胸や肺部分切除など,本邦における胸腔鏡下手術は6,000例を越えている5).さらに,最近では技術の向上や器具の改善も進み,呼吸器外科領域においても手術は拡大される傾向にあって,従来,開胸手術で行われていた操作の多くが胸腔鏡下で施行できるようになっており,胸腔鏡手術の手技や適応の確立が望まれる.
本稿では,胸腔側に突出する形態の胸壁腫瘍に対して胸腔鏡を用いて経胸腔的に切除した症例について術中写真を用いて解説し,その利点や問題点について述べる.
掲載誌情報