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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)

Vp3肝細胞癌症例の静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤結紮術

著者: 國分茂博1 村上匡人1 山崎いずみ1 高尾正彦1 石垣徳江1 松田摩也1 久保田敏彦1 高田雅博1 佐藤正樹1 松本偉男1 杉本政直1 渋谷明隆1 柴田久雄1 西元寺克禮1 加藤康行2 比企能樹2

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科 2北里大学東病院外科

ページ範囲:P.457 - P.463

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 Vp3肝細胞癌を伴う食道・胃静脈瘤12例を経験し,内視鏡的静脈瘤結紮術(以下,EVL)について検討した.結紮部位は食道8例,食道・胃4例,“O”リング数は平均で食道6.8個,胃静脈瘤(F2以下)6.5個であった.治療後,静脈瘤形態は全例改善し,当初の目的である出血死の回避は可能であったが,R-C signの完全消失は硬化療法を併用した2例にとどまった.予防・待機例(5例)は,緊急例(7例)に比し生存日数は有意に長かった.Vp3における血行動態の特徴は,腫瘍塞栓の静脈瘤供血路への浸潤とA-P shunt新生による門脈圧亢進の増幅にあると考えられた.侵襲性の低いEVLにおいても,Vp3では治療前後のalbumin補給を怠らず,黄疸の急上昇前の予防的治療が好ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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