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カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・21
胸部外傷に対する胸腔鏡下手術
著者: 益子邦洋1 辻井厚子1 大塚敏文1
所属機関: 1日本医科大学救急医学科・高度救命救急センター
ページ範囲:P.535 - P.540
文献購入ページに移動近年における内視鏡下手術の急速な普及・発展には目を見はるものがあり,あたかもgold rushのごとき様相を呈しているといっても決して過言ではない.胸腔鏡領域についていえば,肺の嚢胞性疾患,腫瘍性疾患をはじめとして,縦隔腫瘍,胸壁腫瘍,食道疾患,心大血管疾患など次々に新しい知見が集積され,その適応が拡大しつつあるといえよう.そこで今回は,胸部外傷に対する胸腔鏡下手術につき紹介する.
胸部外傷に対する胸腔鏡の歴史は,1946年,Branco1)の報告にさかのぼる.その後,Jackson2),Jones3),利根川4)など散発的な報告はみられたが,視野が悪い,操作性が悪い,呼吸障害を引き起こすなどの理由で普及するまでには至らなかった.しかしながら,1989年以降のビデオ腹腔鏡下手術の開発に引き続き,胸腔鏡下手術が行われるようになり,胸部外傷領域においても新知見が報告されるようになってきた5,6).
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