文献詳細
臨床報告
文献概要
緒言
脾嚢胞は以前から比較的まれな疾患とされてきたが,近年,画像診断の進歩によって,その報告例も年々増加の傾向にある1,2).これに伴い,CA19−9などの腫瘍マーカーが高値を示す脾嚢胞症例の報告が散見されるようになってきた.CAI9-9は,悪性腫瘍に限らず,膵胆道系の良性疾患でも上昇することはよく知られているが,100U/mlを越える場合は悪性である可能性が高いとされる3).今回われわれは,術前血清CA19-9が異常高値を示した,左卵巣嚢腫合併,CAl9-9産生脾類表皮嚢胞の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
脾嚢胞は以前から比較的まれな疾患とされてきたが,近年,画像診断の進歩によって,その報告例も年々増加の傾向にある1,2).これに伴い,CA19−9などの腫瘍マーカーが高値を示す脾嚢胞症例の報告が散見されるようになってきた.CAI9-9は,悪性腫瘍に限らず,膵胆道系の良性疾患でも上昇することはよく知られているが,100U/mlを越える場合は悪性である可能性が高いとされる3).今回われわれは,術前血清CA19-9が異常高値を示した,左卵巣嚢腫合併,CAl9-9産生脾類表皮嚢胞の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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