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特集 静脈系疾患診療の新しい展開
抗リン脂質抗体症候群
著者: 堤明人1 小池隆夫1
所属機関: 1北海道大学医学部第2内科
ページ範囲:P.687 - P.692
文献購入ページに移動 抗リン脂質抗体症候群とは,血中の抗リン脂質抗体により動静脈に血栓症をきたし,多彩な症状を呈する疾患群である.全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患患者に多くみられるが,原発性のものもまれではない.動静脈血栓症のなかでは,下肢の深部静脈血栓症が最も多く,再発しやすいといわれている.中枢神経症状,習慣流産もみられる.抗リン脂質抗体症候群の診断は,所見および検査成績により総合的に行われ,確立された診断基準はない.検査所見としては,最近は抗カルジオリピン抗体が重視される傾向がある.抗リン脂質抗体症候群急性期の治療は,通常の血栓症の治療に準ずるが,急性期ののち長期にわたり再発の予防措置をとることが重要である.
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