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文献詳細

雑誌文献

臨床外科49巻6号

1994年06月発行

特集 静脈系疾患診療の新しい展開

Budd-Chiari症候群

著者: 上池渉1 清水重臣1 中尾量保2 宮田正彦2 松田暉2

所属機関: 1大阪大学医学部第1外科 2大阪警察病院外科

ページ範囲:P.699 - P.708

文献概要

 Budd-Chiari症候群の病態の中心は,肝静脈血の流出障害による肝うっ血ならびにそれに起因する門脈圧亢進状態にある.われわれは,従来,肝部下大静脈における閉塞を解除するとともに,可能な限り肝静脈閉塞を解除するべく直視下手術を行ってきた.近年は,PTA(percutaneous transluminal angioplasty)などの非観血的治療法の発達により手術対象症例は若干減少してきていると思われるが,下大静脈閉塞がlong segmentの症例や,short segmentの症例でも肝静脈閉塞がcentral typeのものでは,直視下手術の適応になると思われる.直視下手術の術式選択においては,Senning法がより根治性の高い術式と考える.本法は肝静脈閉塞をより広範囲に解除しうるため,術後の血行動態の改善,組織像の改善に寄与し,ひいては生命予後の改善に貢献すると考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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