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特集 静脈系疾患診療の新しい展開
腸間膜静脈血栓症
著者: 重松宏1 武藤徹一郎1
所属機関: 1東京大学医学部第1外科
ページ範囲:P.709 - P.716
文献購入ページに移動 腸間膜静脈血栓症は比較的まれな疾患であるが,原因となる凝固線溶系の異常や下肢の血栓性静脈炎などを伴うことが多く,診断の手掛かりとなる.原因が明らかでない腹痛,急性腹症や遷延する腸閉塞症状があるときには,本症を含め虚血性腸管障害を疑う必要があり,診断にはCTや動脈撮影が有用である.腹膜刺激症状がみられるときには開腹手術を必要とするが,腸管のviabilityの判定は困難なことが多く,second look手術もときに必要となる.抗凝固療法や線溶療法は有効で,凝固亢進状態にある例では長期の投与を必要とする.
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