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特集 静脈系疾患診療の新しい展開
文献概要
静脈血行再建は,静脈の解剖生理学的特異性,代用静脈など再建手技が難しいなどの理由から,その応用は制限されてきた.しかし,最近では静脈固有疾患のほか悪性腫瘍に対する合併手術において静脈再建が必要となり,また,自家静脈のほかに抗血栓性のexpandedpolytetrafluoroethylene(以下,EPTFE)血管が改良されて応用できる状態となってきている.グラフト使用による静脈再建は一部の症例に限られるが,上大静脈再建をはじめとして,下大静脈再建,門脈再建,腸骨大腿静脈再建にもリング付きEPTFE血管がかなり安全に応用できる段階となってきており,次第に応用が拡げられつつある.
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