icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻1号

1950年01月発行

結核

腦脊髄結核腫

著者: 淺野芳登1

所属機関: 1京都大學醫學部外科學教室第一講座

ページ範囲:P.32 - P.40

文献概要

 中枢神経系の結核性疾患のうち,脳,神経外科領域の治療対象となるものは,限局性に肉芽性腫瘤を形成する所の所謂結核腫だけであるといえよう. これが脳や脊髄に発生して症状を現す場合は,臨床的には全く眞性腫瘍の像を呈する. 從つて結核腫は梅毒腫などと共に眞性腫瘍に準する扱いをされている. 結核腫そのものは決して惡性のものではないが,これに対する治療成績は非常に惡く,結核腫と言えば先づ絶望とされている位である. これが石灰化し或は瘢痕化して自然的治癒を営むことはその報告例がないこともないが,しかしこれは非常に稀なことと言つてよい. これが現在に於ける中枢神経系の結核腫に対する一般の考え方であろう.
 茲では今迄我々の教室で取扱つた脳結核腫の臨床経驗に重点を置いて述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら