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文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻10号

1950年10月発行

文献概要

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外科的疾患に対するテブロン-R(Teabrom-R)〔コーワ〕の効果に就て

著者: 松下良司1 折茂英吉1 熊谷博1

所属機関: 1東京大學醫學部福田外科教室

ページ範囲:P.493 - P.499

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 TEAB(Tetraethylammonium bromide)は,自律神経遮断剤として最近とみに注目されて来たが,このTEABを主剤とし,之に抗ヒスタミン剤を配合して,両者の相乘的効果を期待したテブロン-R(コーワ)の提供をうけた.我々はこの新製剤を種々の外科的疾患に應用し,若干の成績を得たので,こゝに報告する次第である.
 TEAイオンが,ニコチン樣の神経節遮断作用を有する事は,既に1915年Hurt & Daleにより発表されているが,臨床への應用は,1945年Acheson & Moeの詳細な動物実驗の成果の発表があつてから急速に発展した.そして現在では,その作用はかなり明かになつている.要約すれば,TEAイオンは,神経節に於ける自律神経の傳導を遮断する結果として血圧低下,脈搏頻数血流増加,皮膚温度上昇,発汗停止,胃腸蠕動の停止,胃液分泌の停止,膀胱緊張減弱,瞳孔調節不全等があらわれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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