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文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻10号

1950年10月発行

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マムシ咬創の重曹液動脈注射による13治驗例

著者: 斎藤三郞1

所属機関: 1名古屋大學醫學部附屬醫院齋藤外科教室

ページ範囲:P.506 - P.507

文献概要

 現今の状況に於て,毒蛇咬創患者に対する治療にあたつては,血清の入手も大体不可能であり,又單なる咬創附近の乱切開に依る毒素排泄のみでは,治癒日数は長期に亘り不帰の轉機をとる者もないではない.
 之により私どもは,大庭忠夫氏の「重曹加血液輸血」,及び特発性脱疽に10%重曹水20cc毎日靜脈内に注入することにより,肢端の疼痛が著しく軽快すると云うことから,之を毒蛇咬創に,動脈内に重曹水を注入すれば,良い結果を得られるのではないかと思い,昭和22年7月以降昭和23年9月迄に,愛知縣西加茂郡挙母町加茂病院に於て,13例を経驗,之に咬創附近の乱切開による毒素,及び之に依る分解産物の排泄を計ると共に,2%重曹水及び20%葡萄糖液の動脈内注射を行い,之により著で全治した. 又治療を早く受けた患者にありては,経過しく疼痛が減退し,腫脹の消退の速かなることを知り,治癒期間を著しく短縮し得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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