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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科5巻2号

1950年02月発行

雑誌目次

綜説

新しい膵臟外科手術—根治的一次的膵臟頭部十二指腸切除術及び膵臟十二指腸全剔出術

著者: 井深健次

ページ範囲:P.59 - P.67

 膵臟疾患の外科的手術として,從来その対象となつたものは膵臟膿瘍,膵臟嚢腫. 急性膵臟壊疽時としては膵臟結石であつて,慢性間質性膵臟炎,膵臟癌に至つては,殆ど外科医がこれに直接手を着けることは稀れであつた. ただ膵臟内ランゲルハンス氏島のインシュリン過剰分泌或はラ氏島の腫瘍による特発性低血糖症を発生した場合にその腫瘍の剔出或は膵臟尾部の部分的切除が行はれることは,1929年にHowland氏等によつて最初の治驗が報告されて以来施されているのである。それはラ氏島の腺腫の80%が尾部乃至体部に〓〓する故,そのために,膵臟の部分的切除が企てちれ且つ成功したのである. しかし最近,種々の原因を理由として膵臟の頭部及び十二指腸の切除或は膵臟及び十二指腸の全剔出の手術が実施され,その術式の改善,手術の前後処置,適應症の檢討も進められ,更にその手術の結果が,人体の新陳代謝及び消化機能に及ぼす影響等に就ても多大の興味を以て臨床方面ばかりでなく,人体生理学の根本問題からも研究されておるのである.
 この種の手衛が最初に患者に施されて成功したのは,1935年にWhipple氏1)たちが十二指腸のVater氏乳頭の癌に対する外科的根冶手術として行つたときである.次でBrunschwig氏が1937年に膵臓頭部の癌腫に対して初めてこの手術を施して成功した.これ等の場合その手術は何れも2段階の手術として行われ,先づ最初の準備手術として,胆道を十二指腸以外の胃或は空腸に開通せしめること,胃腸吻合,同時に患部の乳頭部或は膵臓並に周囲の状態を檢査することであつた.次で第2段の手術として,十二指腸及び膵臓頭部の切除或は十二指腸及び膵臓奈部を剔出するのである.しかし現在ではそれ等の手術は,術式及び術前術後の処置などの改善並に後述の他の理由から一次的に根冶手術として施すことが專ら行われて,2段階に施すことは漸次廃たれるような傾向にある.

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手術後に於ける白血球像の動搖と血液の結核菌発育阻止作用

著者: 大塚正八郞

ページ範囲:P.68 - P.70

緒言
 外科的各種疾患に手術操作を加える時は,該患者血液の組成等に多大の変動を齋す事は從来の諸報告に徴して已に明かな事であり,特に白血球核移動に関しての報告は極めて多い. 而して諸報告を綜合すると,最も変動し易いのは中性嗜好球,淋巴球,大單核球,「エ」嗜好球で,手術直後には中性嗜好球は増加,淋巴球は減少,「エ」嗜好球,大單核球は減少消失し,手術後3日以上経過すれば中性嗜如球は減少を開始し,淋巴球は増加,「エ」嗜好球及び大單核球も亦出現増加して,大半は術後率ぬ1週で正常の百分率に戻り,爾後の経過中にては相対性淋巴球増多症を見るという点が大体一致した意見である. 又,手術後に於て経過予後を判定する上には血液像を反覆檢査し,白血球像の変化曲線を作つて動的観察をする事の必要性も強く認められている. 筆者も手術の血液に及ぼす所の諸影響を檢査し. 核移動に就ては大体諸家と一致した結果を認め得たが,更に白血球球像の檢査と併行して同一血液による結核菌の全血液内培養を行い,両者の関係等に就き若干の成績を得たので,その点に関する概要を報告する.

腹部刺創

著者: 平城定

ページ範囲:P.71 - P.73

 最近経驗した症例を述べ,腹部刺創に就て臨床上注意すべき2・3のことを申述べてみたい.
 まづ第1は刺創の記載である. 周知の通り腹部刺創はその殆んど全部が刑事上の問題となるのであつて,裁判に当り医師の診断書は有力な証拠となる. この時一番問題になるのはどういう兇器で刺したかであつて,よく犯人は匕首で刺していながら小刀で刺したとか又2・3人で刺していながら罪を1人でかむつて1人で刺したとかいうものである. これは匕首で刺して居れば予め殺意があつたものと認められ,小刀ではつい腹立ちまぎれもつていた小刀で刺したと考えられ刑の重さに関係があるからである. その鑑定には創傷の性状が一番有力であり,その長さと深さが問題になる. 創の長さから兇器の幅が大休推定され,創の深さから兇器の長さが大体推測されるからである. 從つてこの創をよい加減に記載しておくと後に有力な証拠を失うことになる. 例えば藤原教授の法医学書をひもどいてみると次の様に記載してある.

穿孔性虫垂炎に於ける直腸排膿術式に就て

著者: 野崎道郞 ,   大向文子

ページ範囲:P.74 - P.75

緒言
 化膿性感染に対する閉鎖性療法は開放性療法に比して吸收良好な事は色々の場合に認められた事実である. 最近化学療法の発達に伴いこの療法は一層強調せられる様になつた.
 我々は最近穿孔性虫垂炎に起因する盲腸周囲膿瘍,小骨盤膿瘍並に汎発性腹膜炎に対し虫垂切除術を行うと共に閉鎮性直腸排膿術を試み良結果を得た. 現在一般に行われている廻盲部腹壁外への排膿法は体位の関係上排膿惡く,又創傷感染により難治の瘻孔を貽す等の欠点がある. 本法はこれ等の欠点を完全に補い,閉鎖性療法の優点を兼ねたものである. 勿論膿汁少く充分清拭し得たものは排膿管の必要を認めないが,発病後相当日数を経過したもの,小骨盤腔其他の場所に膿瘍を形成したものは無條件に閉鎖する事は出来ない. かゝる場合に本法を應用すれば單純性虫垂炎の早期手術例にも比すべき短時日に全治せしめる事が出来る.

人事消息

ページ範囲:P.75 - P.75

 ◇橋本義雄氏 昭和20年台北帝大外科教授の職を解かれ翌年日本に引き揚げ信州大学に橋本診療所を開設された氏は今回徳島大学医学部外科教授に就任。
 ◇齋藤 一男氏 日本医大教授の氏は同上研究費として疾患と整形外科についての研究に対し六万円を交付さる。

腸管嚢腫様氣腫の成因と潰瘍穿孔—開放性潰瘍穿孔の自然治癒

著者: 三宅平三郞 ,   井上威

ページ範囲:P.76 - P.78

1. 緒言
 腸管嚢腫樣気腫の諸成因中,機械説が圧倒的多数の支持を受けているが,細菌説及び化学説も存在する. 最近は機械設学者が言う樣に消化管狭窄に基き,腸管内瓦斯が腸壁に圧入されて発生したのではなく,腹腔内遊離瓦斯が腸壁淋巴間隙を通つて圧入され気胞を形成するという説もある. 余等も偶々幽門狭窄を件う多発性胃潰瘍と. 腸管嚢腫樣気腫の合併症を経驗し而も,腹腔に異物及腹膜の広汎な癒着から潰瘍の穿孔が考えられ,腸管嚢腫樣気腫の成因に問題を提供するものと思われたので症例の概要を述べ,潰瘍穿孔と腸管嚢腫樣気腫との開放性並に開放性潰瘍穿孔の自然治癒問題に言及する.

特發性小腸間膜膿瘍に就て

著者: 石井堯典 ,   西村明子

ページ範囲:P.79 - P.81

I. 緒言
 腸間膜膿瘍は比較的稀有な疾患であつて,殊にその臨床診断に於ては困難なものである.
 この疾患の原因としてわ急性虫垂炎,腸蜂窩織炎による腸間膜蜂窩織炎,化膿性栓塞,腸間膜嚢腫の二次的細菌感染,或は結核,腸チフスの経過中に於ける腸間膜淋巴腺炎等が挙げられ,その報告が散見される. この他に原発病竈不明の腸間膜膿瘍,即ち特発性急性腸間膜膿瘍があり,本邦に於ても田島,宮城,根来,古谷,鍋島,合屋,飛田等の諸氏の報告がある. 私は最近原発病竈として認むべき疾患もなく,術前腸重積症を思わせる症状の,特発性小腸間膜膿瘍の1例を経驗したので,茲にその経過の大要を報告し諸賢の御教示を仰ぎたいと思う.

大腸菌性腹膜炎に對しペニシリンは效くか

著者: 日笠賴則

ページ範囲:P.82 - P.83

症例
1) 37歳,女子.
 〔主訴〕下腹部の激痛.
 〔現病歴〕入院前日より下腹部の鈍痛を来し,本朝来39.9℃の体温上昇,嘔気と共に下腹部の激痛を来し来院した.

興味ある外傷性脈瘤の2症例

著者: 塩澤正俊 ,   三宅壽郞

ページ範囲:P.84 - P.88

緒言
 本邦に於ける外傷性特に戰傷性脈瘤に就いての業蹟は小形1),佐々木2),菊池3),岡崎4),竹内5). 細見6),福田7)等に依つてなされ,此方面の知見は相当詳細に報告されている,余等も亦些か興味ある戰傷性脈瘤の2症例に遭遇した. 蓋し吾が國に於ては今後戰傷性脈瘤に遭遇する機会は絶無であろうが,類似の発生機轉に依る外傷性脈瘤は今後と雖尚尠なからず経驗される事と思われるので敢て茲に症例を報告する.

巨舌症の1例

著者: 竹內利夫

ページ範囲:P.89 - P.90

緒言
 最近吾々は先天性巨舌症にして,而も之が淋巴管腫性変化により発現せる1症例に遭遇したるを以て,此処に報告す.

一側總頸動脈結紮に因る死亡例

著者: 三木直二

ページ範囲:P.91 - P.92

 近時瀨尾・中山両教授の提唱せる頸動脈毬剔出手術が盛んに行われる樣になると同時に,其の手術に対する危險もこれにともない発生しつつある. 余は胃潰瘍に対して行われた頸動脈毬剔出手術後,右総頸動脈より出血し其の結紮を余儀なくせられ,術後3ヶ月半にして死亡した1例を経驗したので報告し,諸賢の御参考に供する.

急性胃蜂窩織炎の1例

著者: 川口修三郞 ,   町秀夫

ページ範囲:P.93 - P.96

緒言
 私等は,最近腹部の激痛及膨満を主訴とする患者に遭遇し,手術に依つて初めて急性胃蜂窩織炎なる事を確め得たので茲に報告する次第である. 周知の如くこの疾患は極く稀な疾患であつて,試みに文献を繙いてみるに,欧米では既に1896年Leithか本疾患に関し1書を著しているに始まり,1910年にLundbergが自己の症例17例を加え215例を発表し以来Finsterer, Victor Or—ator, K. F. Koch, Friedlich Bauer, H. Nahr—ath, Otto Bstch, F. Neugebauer, P. Slanina等か相踵いで発表している. 本邦に於ては報告例少く昭和10年に長谷川・高田(慈大),三井(東北大),中村(海軍)及本年2月大鈴の各1例が報告されている程度であつて,その診断も亦極めて困難で洋の東西を問わず,過去に於ける症例に於ても,その殆んどすべてわ,腸閉塞症とか或いわ穿孔性虫垂炎兼汎発性腹腹炎或いわ穿孔性胃潰瘍となし,これが手術又わ剖檢に依り初めて胃蜂窩織炎なる事を確め得たような状態であつて,術前本疾患の診断を適確に下す事わ殆んど不可能と言われる程である.

自発性膽嚢臍瘻の1例

著者: 筑紫淸太郞

ページ範囲:P.97 - P.98

緒言
 臍は腹壁の抵抗脆弱部として,腹腔内病変が時に此処に自壞して所謂臍瘻(Nabelfistel)を形成する. 私は胆石を有する胆嚢の底部に癌腫が発生し此処に穿孔が起り臍に自壞し,遂に胆嚢臍瘻(Gallenblasennabelfistel)を形成するに至つた1例を経驗したので茲に報告する.

米國外科

ページ範囲:P.102 - P.102

 SURGERY GYNECOLOGY & OBSTETRICS.
 Vol. 89. No. 4. October, 1949.
1. Unilateral Prefrontal Lobotomy for the   Relief of Intreotable Pain. & Termination   of Nareotic Addiction. JohnE. Scarff,   M.D.…………………………………………………385

集会

ページ範囲:P.106 - P.107

福岡外科集談会 第89回 昭和24.10.9
1. 炎症性斜頸の外来治療に就て          宮 崎 正 晴(九大整形)
2.椀骨神経獅痺を件える陳旧性橈骨外方脱臼の1   治験例     戸 家 鎭 候(九大整形)

医療関係法規の解説13・14

學位の廣告と非醫師の醫療廣告/健康保險療養の給付

ページ範囲:P.81 - P.81

 医療広告の取締が強化され,或る縣の如きは診療机の中から学位記入の名刺を探し出し摘発した例もあるが,患者が医師の診療を受けようとする際はその人の経歴,学位の有無を第一に問題にすると思われる. 斯る事は,非医師によるいかがはしい医療広告が新聞などに出ていても平然としている厚生省当局の片手落のやり方と同一のものであると非難がある. 之れに対し厚生省医務課の意見解は次の通りである.
 経歴,学位等が自然に患者に知れることは勿論差支えないが,これを積極的に広告することは一面において非常な弊害を生ずるおそれがある. 特に学位の場合はそれが大であると考えられる 又,名刺に学位を記入することはこれを普通の用途に使用する場合は,特別に取締つてはいない.

今月の小外科・1

凍瘡(しもやけ)について

著者: 高橋吉定

ページ範囲:P.99 - P.100

 凍瘡すなわちしもやけは症状の上からもまた治療の上からもこれを凍傷と分けて考えなければならない. もちろんこの両者にはいく多の類似点が見られるのであるが,從来わが國の多くの教科書においてはその類似に重きがおかれ,差別の点が明瞭に述べられていないので,不得要領のまゝ卒業してしまう学生も少なくないようである. 凍傷は火傷と比較されるもので,その症状も通常度に分けられている. 0度以下の温度に,ある限度の時間を越えて身体をさらせば,どんな人にも凍傷は起るのであつて,熱湯に手を入れゝばだれでも火傷を受けるのと同樣である. しかるに凍瘡にかゝる場合には0度以下の温度を必要とせず,しかもたれでもかゝるわけではなくて,ある特定の人に限られる. したがつて凍瘡の発生の要因として素因の重要であることがわかるのである. この素囚は学童期および青春期においてもつとも顯著であつて,30歳を過ぎると稀にしか見られない. 女子は男子に比してこれが著しい. また体質上異常の徴候を具えるものは凍瘡にかゝりやすく,迷走神経緊張,形成不全性体質,毛髪発生不全,女子の男性型,肩胛骨の狭長,舌底濾胞の肥大,扁桃腺肥大,大動脈および血管系の狭小,反射亢進等が挙げられ,またそのよらなひとにはしばしば座瘡,脂漏性濕疹が見られ,皮膚標記症が現われる.後天的には栄養低下,アルコール,ニゴチン,腸疾患が素因をつくるとせられ,また一定の職業によつてもそれが発坐し,たとえば洗濯,料理等水使いのひんばんなものがそれである.
 凍瘡の素因をさらに具体的に考えると,それは血管の機能不全である.正常のひとは寒冷にたいして皮膚血管の收縮をもつて反應するが,凍瘡ゝりやすいひとにおいではその血管は容易に不全麻痺に陷いる.この麻痺は軽微な塞冷が何回か加わつたのち徐々に発現するので,したがつて凍瘡は慢性症である.これにたいして凍傷は1回の強い寒冷との接触によつて発生するので急性症とすべきものである.

外科醫のノート

乳兒の手術後急死

著者: 木田文夫

ページ範囲:P.101 - P.101

 嵌頓脱腸とか腸重積とか狼咽などの手術を,外科側に願つたあとで,乳兒に急死されて家人に困つた気持がするのは,小兒科医がたいてい一つ二つの経驗をもつのであるが,これは小兒科医も前もつて,家族にその危險のあることを諒解させておくべきだと思う. この事故を,ふつうはしばしば,手術が手おくれだつたとか,血液を吸入したとか肺炎が併発(「エーテル肺炎」など)したとかとかく手術の責任であるかのような説明をしておつたが,パリ大学の小兒外科Ombrédanne教授は,ずつと前から特別な体質的な病理によつて起る場合が少くないことを力説されていた. もう10年も前の講義ノート書によつて,先生から伺つた話のままに引用してみよう.
 たいていは生後6カ月よりも幼い乳兒の手術の場合である. 麻醉剤を用いようと用いまいと,或はその麻醉剤の何によつても,だいたい大差なく生じることであつて,麻醉障害とは考えられない. 手術のさいちゆら,または手術の直後に,乳兒の顔いうが急に青くなるが,出血とはあまり関係なく起る.この一過性蒼白は,しばらくすると元に戻つて,その日も翌朝も変りないことが多い.手術の日に多少のひきつけが現われることもあるが,すぐ治まる.手術の翌日,発熱が始まり,再び顔面蒼白が現われる.発熱は早生ければ手術後6〜10時間,おそくとも30時間以内である.目や口のまわりに,くまができる.まれに嘔吐がある.発熱は高熱に達し,39.5〜40度以上に昇ることが普通である.このへんで,充分強心,輸血そのほかの手当てをすれば,癒ることがある.
 しかし一般には,体温はますます昇つて,41〜42度の異常高温に達し,呼吸促進と弱脈がおこる.排尿も乏しく,脱水状態になる蒼白なままでチアノーゼは来ない.再びひきつけることがある.失神のままで死ぬ.死ぬま.での時間は,手術後12〜16時間くらいが平均で,早い.例では数時間である.注意すべき点は,24時間以後になつて死ぬ例は,まれだという事実である.

最近の外國外科

—America—急性血行性骨髄炎に於けるペニシリン療法の價値(米),他

著者: ,  

ページ範囲:P.103 - P.105

 アルテマイヤー及びワズワースの両氏は過去4年間に急性血行性骨髄炎71例にペニシリン療法を施した.そしてこの疾患の大多数の症例に対してペニシリン療法がその優秀な効果を示し得る時期は,本疾患が未だレ線檢査の補助によらず,ただ臨床症状のみで診断される時期でなければならないと云つておる.從つて本症の疑のある症例には直ちに適当なペニシリン療法を開始して,それを確実な診断が下されるまで継続するのが望ましい.
 ペニシリンの量は少なくも1回2万單位を筋肉内或は静脈内に2〜3時間毎に注射して,最小限度7日間施して,その感染の症状が治るのを認めるまでする.まず劇烈な感染に於ては5〜10万單位を前に述べたと同一の時間々隔で注射して,臨床的に効果が得られるまで施してもよい.その総量は多くの症例では少なくも2〜3百万單位を3週間或はそれ以上の期間内に與えることが適当と考えられる.しかし,感染に対する完全な効果が認められない時には,更にペニシリンの投與を継続することが必要である.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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