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文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻3号

1950年03月発行

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骨関節結核と抗生物質

著者: 片山良亮1

所属機関: 1東京慈惠會醫科大學整形外科

ページ範囲:P.114 - P.118

文献概要

 抗生物質の発見以来其の種類は甚だ多様であるが,ペニシリンとストレプトマイシン及び其の系統のものが最も重要である. 以下之の両者に就て述べ度い. ペニシリンは周知の如く主としてグラム陽性菌に強力に働き,ストレプトマイシンは陽性,陰性の両者に作用するが,陽性菌に対する作用はペニシリンに及ばないから現在の所,主として結核菌を対照として用いられる,骨関節結核の治療に際しては之の両者が症例を選んで適宜用いられるが,其の適應症を現在の所2つに分ける事が出来る. 1つは骨関節結核の混合感染に対するペニシリン療法であり,他は骨関節結核自体に対するストレプトマイシン療法である. 但し骨関節結核を保存的に或は観血的に治療するに際し之の両剤が同時に或は時を異にして併用せられ治療効果を拳げ得る場合が少くない. 從而,骨関節結核の治療に関する限り両剤の適應症が確然としない事がある. 或は更に言葉を換えるならばペニシリンは骨関節結核の治療の総ての場合の補助となり,ストレプトマイシンが主役を演ずる事になるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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