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今月の小外科・2
熱傷
著者: 福田保1
所属機関: 1東京大學醫學部福田外科
ページ範囲:P.147 - P.149
文献購入ページに移動火焔や熱せられた金属に触れたり,熱湯や熱せられた油をあびたり,爆発の高熱輻射に面したり,凡て熱作用により起された傷害を熱傷,火傷,湯傷など呼ばれている. その傷害の程度ほ作用温度の高さにもよるが,多くはその作用時間に関係する. 高温でも瞬間であれば傷害は軽く表層のみであるが,温度の著しくない湯たんぽ熱傷の如く長時間に及ぶときは,皮膚から筋膜筋層までの壞死を来すことは稀ではない. 熱をもつ物質,熱を受ける個体の抵抗如何によつても傷害の程度が異る. 乳幼兒の如き皮膚抵抗のかよわい者では傷害は比較的大であつて,同じ或程度であつても全身並に局所の影響は様々である. 全身に対しては熱傷の範囲とその程度の総和によつて或程度以上になると症状を呈し,著しい場合は往々死亡するに至る
熱傷の範囲は予め知ることが大切で,全身の三分の一以上の熱傷では往々生命の危險があると言われている. 臨床上その範囲をきめるには通常Berkowの式に從つている. 小兒では頭部を大きく見積らなければならない.
熱傷の範囲は予め知ることが大切で,全身の三分の一以上の熱傷では往々生命の危險があると言われている. 臨床上その範囲をきめるには通常Berkowの式に從つている. 小兒では頭部を大きく見積らなければならない.
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