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文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻4号

1950年04月発行

特集 Cancer・1

尿路と精液路の癌—主として最近の進歩について

著者: 市川篤二1

所属機関: 1東京大学秘尿器科

ページ範囲:P.203 - P.210

文献概要

はしがき
 筆者はこゝにはじめて上記のような表題を用いてみた. 從来ならば泌尿生殖器系の癌とかくところであるが,そうかくと女性の生殖器を含まないことを断わらねばならない. 泌尿器科学は泌尿器と,男性生殖器とを対象とした学問であるから"泌尿器科学と癌"というような表題でも理論的にはよい訳であるが,どうせ新しい文字を使用するならば,内容が具体的に示される方がよいと考えて,尿路urinary tract;Harnwegeと精液路seminal tract;Samenwegeという文字を選んだのである,これで男女共通の泌尿器と,それから男性の生殖器のみを表わすことゝし,今後も此の方針をつゞけてみたい考えである.
 此の領域に於てもかなり多く惡性腫瘍がみられるが,その分類に関しては諸家の考えが悉く一致しているわけではない. 腎臟に於けるGrawitz腫瘍と癌との関係,睾丸に於けるセミノームと癌との関係の如きはその代表的なもので,その上同じ標本が見る人の異るに從つて癌と診断されたり癌でないと診断されたりすることがあり得るのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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