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文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻4号

1950年04月発行

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手術患者の新陳代謝の研究—1. 急性腹膜炎患者の水分代謝

著者: 長洲光太郞1

所属機関: 1國立東京第一病院外科

ページ範囲:P.216 - P.219

文献概要

序 言
 術後の血液性状の変化に就ては特に最近各方面の注目するところであるが,基本的な変化を長く追求した業績は乏しい. 血液成分の濃度例えば比重とか,蛋白量とか,ヘマトクリット(Ht)の如きは,水分の與え方により或る程度自由に変化せしめ得るものであるから,水分代謝の状況を無視した之等の値について議論する場合は,十分愼重でなければならない. この樣な考慮は,脱水,流血量減少,シヨック等と密接な関係のある急性腹症に於て特に重要である. 余は広範囲性急性汎発性腹膜炎15例につき,術前後の血液性状と血液量及び水分代謝量の関係を追求して,之等の間に一定の関係があるか否か,もしあるとすれば,臨床的に何を目標として患者の経過を判定し,水分投與量を決定したらよいかという事を知ろうとした. 蓋し各成分の濃度と共に流血量や,眞の水分代謝を測定する事は理想的ではあるけれども,之等を全部日を追うて測定するが如き事は,臨床的には望み得ない事だからである.
 測定値は硫酸銅法による全血及び血漿比重(GB及びGP),コンゴーロート及び絶対比色計による血漿量(P. V),ヘマトクリット直接測定(Ht),及び之による流血量(B. V)其の他である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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