文献詳細
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文献概要
大脳皮質(cerebral eortex)は終脳側壁の飜轉拡充に由つて形成される,初期の飜轉によつて先ず作られるものは嗅球であるが,その嗅球の基部には複雑な二次性嗅野があり,その内部に種々なる非嗅性組織が侵入拡大し,次いでこの協関性組織が飜轉拡大して大脳半球が形成される.半球を掩ら灰白質をCortex又はPalliumと云う.そのうち,元来の嗅球所属の部分(archipa'lium,allo-cortex)は,後に側方に押しやられ,Neopallium(新Pallium)の膨大な拡張のかげに姿を沒する.Neopalliumはその発生のある時期に,典型的な6層講造をとるので,その全体をIsocortexと云う.協関組織たるこの薄暦は,いわゆる知的行動と唱えられる不安定な行動型に極めて適應していると同時に,限りなく拡大してゆく傾向を持つらしい(Herrick,1921).
身体の他の部分とは比較にならない程の,大脳皮質のおどろくべき膨脹は,それが人類の働きにとつて基本的な重大性を持つことを物語るものであつて,その構造は夙に生物学者達の興昧を惹いたものである.と云らのは,如何なる器官においても,それが活用するエネルギーを介して,構造が機能の樣式を決定するからである.而して神経組織は通報と連絡の器官なるが故に,大脳皮質については,明らかに2つの研究さるべき側面があつた.1つはその固有な内部構造,他は外部との連絡である.
身体の他の部分とは比較にならない程の,大脳皮質のおどろくべき膨脹は,それが人類の働きにとつて基本的な重大性を持つことを物語るものであつて,その構造は夙に生物学者達の興昧を惹いたものである.と云らのは,如何なる器官においても,それが活用するエネルギーを介して,構造が機能の樣式を決定するからである.而して神経組織は通報と連絡の器官なるが故に,大脳皮質については,明らかに2つの研究さるべき側面があつた.1つはその固有な内部構造,他は外部との連絡である.
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