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文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻6号

1950年06月発行

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アイソトープと外科

著者: 山下久雄1 宮坂知治2 大內廣子3

所属機関: 1慶應義塾大學醫專部放射線科 2慶應義塾大學醫學部外科教室 3慶應義塾大學醫學部放射線科

ページ範囲:P.289 - P.297

文献概要

 アイソトープと外科とは一見無関係の樣に思われるが,アイソトープは外科的疾患の診断に應用せらるゝ場合が多く,又手術の経過を見る爲にも役立つ. 更に治療学的に利用して,外科的療法の補助手段として重要な場合も少くない. アイソトープが広く医学的に應用されてから最う10年余になるのが,今更事新しく述ぶることでもないが,從来Cyclotron等で造ると非常に微量しか得られず又高價であつたのが,原子爐が出来てから多量が産出され,然かも著しく安價となつた. 例えば,炭素のC141mc得るのに大型のサイクロトン5台が1ケ年無休で運轉せねばならず,その費用100万弗を要するのが,原子爐では数年間に50mc以上が既に各方面に配分され,使用され,然かも1mc当り50弗となつた. 此の炭素1mcがあれば,之で半封度の砂糖が合成されるので,相当沢山の実驗が出来る訳で,アイソトープは全く実用的且普偏的となつた. 今度之が吾國へも輸入されることゝなり,7月頃第一便が来る筈である. 比較的簡單に使用出来ることゝなるので,此の際認識を新たにすることも有意義であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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