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文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻7号

1950年07月発行

文献概要

特集 蛋白問題・1

蛋白代謝中枢に関する諸実驗

著者: 吉田誠三1 坂野登1 柵木吉郞1 平松正吾1 林修一1 梶田武夫1 安藤次雄1 三河內武丸1 富川四郞1

所属機関: 1名古屋大學醫學部戸田外科學教室

ページ範囲:P.334 - P.340

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1. 緒言
 間脳に於ける自律神経中枢は,視神経床下部に集り,延髄自律神経中枢の高等中枢であつて,交感,副交感両神経の綜合中枢と見做されている. 而してこの間脳には古くより,糖代謝,水分及び塩類代謝,脂肪代謝及び蛋白代謝等の中枢があると云われ,間脳穿刺に依る種々の実驗的研究が行われているが未だ充分明かではありません. 殊に蛋白代謝中枢に関しましては未知の事が多く,且從来の研究は間脳穿刺前後の諸種の蛋白代謝産物には触れず唯血清蛋白,残余窒素等のみを測定して中枢破壞に依る蛋白代謝の全般に論及しているが,複雜なる蛋白代謝の一端を窺い知るにも不充分な研究方法と云わねばならない. かゝる見地より我々は蛋白代謝産物の種々なるもの例えば尿素,尿酸(くれあちにん),及び(くれあちん). (あみの)酸,酸化及還元(ぐるたちをん)並に血清沃度酸値等を血漿蛋白,残余窒素と共に間脳穿刺前後に測定して中枢破壞に依る蛋白代謝を綜合的に研究しその一端を知り得たのである. 尚Jisellius法に依り血清蛋白を分析し氣脳法,一般脳手術の蛋白代謝に及ぼす影響を知り,頸髄,胸髄,内臟神経切断に依り肝臟,脾臟等の蛋白代謝に於ける役割を研究した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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