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文献詳細

雑誌文献

臨床外科5巻8号

1950年08月発行

文献概要

外科醫のノート

眼医者の希望

著者: 中島実1

所属機関: 1名古屋大學眼科學教室

ページ範囲:P.426 - P.426

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 眼科もやはり外科の一部と考えてよいのであるが,一般の外科と異るところは手術の時の仕事か甚だ細かいことと,割合に化膿しにくいが一度化膿したら全く取返しのつかぬ眼球の潰滅を来すということ,常に機能の恢復ということに重大な関心をもつて居なければならぬということなどであろう.
 特に眼科では,此の機能の保存ということが量も大切なことであるということは,眼科そのものの目的が視覚の葆存であるという点を考えて見てもわかるであろう.然るに時々外科で眼部まで手術せられた場合に眼の機能とい5ことに殆ど考慮が拂われていないかに見えることがあるのは誠に残念だと思う.最近邁遇した例にも,顔面の表皮癌の手術の時に眼瞼から眼窩まで充分に切除された後に,この欠損部を埋めるのに,大きな無根皮弁を移植してあつたが’この皮弁が直接眼球に癒着して,眼球は全く動かなくなつて,眼を開けると複親が起り且つ眼球を動かそらとすると引つ張られる感じが起り,甚だしい苦痛を訴えていた患者があつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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