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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻1号

1995年01月発行

文献概要

特集 早期胃癌の内視鏡的根治切除

lesion lifting法を用いた腹腔鏡下胃局所切除術—Laparosonic Coagulating Shears(LCS)応用による適応の拡大

著者: 大上正裕1 大谷吉秀1 栗原直人1 小川信二1 熊井浩一郎1 久保田哲朗1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.49 - P.55

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 教室では,胃癌のうち,①術前深達度診断m,②Ⅱa病変の場合25mm以下,③Ⅱc病変の場合15mm以下でUl(−)を満たしたものは,リンパ節転移の危険はほとんどなく,確実な局所切除で根治が得られると考え,1992年3月よりlesion lifting法による腹腔鏡下胃局所切除術を施行し良好な成績を得ている.当初は胃前壁病変のみを適応としていたが,Laparosonic Coagulat-ing Shears (LCS)の使用により,小彎,大彎の血管の処理が安全,容易に行えるようになったため,小彎や大彎の病変に対しても適応が拡大され,手術時間も短縮された.これまでに胃粘膜癌10例に対して本法を施行し,径50〜110mmの全層の切除標本が得られ,切離縁から病変部までの距離も6mm以上確保できた.低侵襲性と根治性を兼ね備えた本手術法は,LCSの使用により,さらに安全な手技になったと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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