文献詳細
メディカル・エッセー 「残りの日々」・1【新連載】
文献概要
私はいわゆる戦中派である.
学徒出陣によって前線に赴いた友人たちがつぎつぎに戦死していた時代に,大空襲下の東京で正門前に下宿して医学部に通っていた.当時,都心で暮らすことはたいへんに危険だった.同級生は焼夷弾に直撃されて死ぬし,付属病院では火傷を負った被災者がつぎつぎに運びこまれては死んでいた.食べるものもなかった.
学徒出陣によって前線に赴いた友人たちがつぎつぎに戦死していた時代に,大空襲下の東京で正門前に下宿して医学部に通っていた.当時,都心で暮らすことはたいへんに危険だった.同級生は焼夷弾に直撃されて死ぬし,付属病院では火傷を負った被災者がつぎつぎに運びこまれては死んでいた.食べるものもなかった.
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