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特集 多臓器不全—患者管理の実際
多臓器不全患者の評価
著者: 田中孝也1
所属機関: 1関西医科大学高度救命救急センター
ページ範囲:P.1265 - P.1271
文献購入ページに移動 多臓器不全では金身状態やその重症度を正しく評価し,すばやく治療に結びつける必要があるが,本病態が種々の原因で発生するため,これらを画一的にとらえるには因難な面がある.全身状態の評価としては本病態をSIRSの概念,すなわち循環動態,酸素代謝,ホルモン,エネルギー基質などの変動やhumoral mediatorの変動をもとにして考えると比較的評価しやすい.予後の危険因子としては,年齢,臓器不全数,出血量,感染,基礎疾患,施設の対応などが挙げられる.現在,多臓器不全の重症度を的確に評価する方法はない.臓器不全数や敗血症の評価法など,過去に報告された評価法をもとにして独自に評価する以外にない.
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