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特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理 6.大腸・肛門手術
文献概要
虫垂切除術後の合併症としては,術後出血,感染(腹腔内膿瘍,腹壁膿瘍など),イレウス,排尿障害,頭痛などが主なものである.術後出血は術当日,第1病日にみられるため,この間は出血を念頭において管理する.比較的頻度の高い腹腔内膿瘍,腹壁膿瘍は,術後遷延する発熱,CRP陽性,白血球増多などの血液生化学的所見に加え,腹部超音波検査,局所の発赤,腫脹に注意していれば診断は容易である.診断が確定したら早めに開創,ドレナージなどの処置をする.術後の麻痺性イレウスは,輸液など保存的治療にて改善することが多い.排尿障害に対しては術後早期からの離床を心掛ける.腰椎麻酔の結果生じる頭痛に対しては,臥床と輸液療法がよい.
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