文献詳細
特集 術後1週間の患者管理
Ⅱ.合併症を有する患者管理
低栄養
著者: 稲葉毅1 斎藤英昭2 林明燦3
所属機関: 1東京大学医学部附属病院材料部 2東京大学医学部附属病院中央手術部 3東京大学医学部附属病院第1外科
ページ範囲:P.338 - P.339
文献概要
1.栄養状態評価のパラメーター
術前栄養状態の指標としては,血中アルブミン(Alb),コリンエステラーゼ(ChE),総コレステロール(T.Chol)などが一般的に使用されている.短期間の栄養投与の効果判定には,Albなどよりも血中半減期の短いプレアルブミン(PA),トランスフェリン(Tf),レチノール結合蛋白(RBP)などのrapid turnover proteinを用いたほうがより正確に評価できる.また,総リンパ球数(TLC),遅延型皮膚反応(PPD)などの免疫能も栄養状態を強く反映する.
血液データ以外では,体重・理想体重比(栄養指数,%IBW)あるいは体重・健常時体重比,上腕三頭筋部皮厚(TSR),経口摂取状態,体重減少の有無などが栄養状態の簡便かつ有用な指標である(表1).
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